人間自身―考えることに終わりなく 池田晶子

人間自身―考えることに終わりなく

人間自身―考えることに終わりなく

紀子妃が男児を御出産なさった。 ・・・あの方のお顔は、巫女のそれである。ああいう人は、怒らせると怖い。
これに対して、雅子妃の顔は、完全に近代人の顔である。 個我の確立した、主張の明確な、そして公私の区別に敏感な、我々と同じ感性の顔である。

そういう通常の感性のあの方にとって、「白昼の子宮」はたまらないはずである。おかしくなるのは当然である。お気の毒なことだ。


雅子さんを初めて見たとき、あぁこの方はきっと向いていない。きっと苦労する。と思った。 好みの顔である。鼻も大きいし。

対して紀子さん怒らせるとホント怖そう。怒っていることを顔にちっとも出しはしないだろう。表面的にはあの微笑を保ちつつ、実のところ静かに怒っているのだ。
想像するだに恐ろしい。