Charles2009-08-11

みなさん、茹だってませんか? 
由美かおるの呼吸法を適当に1分くらいやって、若さを保てるか実験中のチャールズです。

なぜこんなに暑いのでしょう? 
こんなに馬鹿暑いのに海とか行ってるヒトの気がしれん。 ウチで涼しく本を読もうよ。 

というわけで、涼しい室内で「つぼキーク」片手に本を楽しく読む夏の日々。



昔の新潮文庫の装丁は素晴らしい。 この熊の怖さを見よ。 読む前からじゅうぶん怖い。
最近の新潮社装幀室の本も素晴らしいものが多いような気がするが。

大正時代とはいえ、未開の北海道における環境の酷さを知って驚いた。 
害虫、極寒、痩せた土地。 家は草で囲っただけのお粗末なもの。板壁の家は一軒のみ。 
当然、寒風にさらされ、ヒグマは易々と進入する。
こんな環境でヒグマに怯えながら一夜を過ごす恐怖。 

「女の肉」の味を最初に体験し、その味を覚えてしまったヒグマ。 避難して女がいなくなった村の家々で、女の匂いのするものをなんでも漁る。 女が使った湯たんぽがわりの石まで噛み砕く始末。
銀おやじの最後、よかったなぁ。ヒーローで終わらないところが良い。






有吉佐和子の「テレフォンショキング」伝説。
そうか、あれは躁状態だったんだ。合点。

躁について書いていると「鬱」になってくる、とあったが、そうかもしれない。 
読んでいるこちらもウツっぽくなってきた。




吉村昭の「少女架刑」 素晴らしい。
この短編以来、吉村昭のことしか考えられん。

過去、この作家は大病を経験されたのでは?と思ったが、やはりそうだった。
身体のすみずみをこのように緻密に文章にするには、ある種の経験が必要なのでは。
自分の身体とじっくり、イヤでも向かいあう日々。その作業を経て書ける種類のものもある・・・と思っている。
そしてたぶん、吉村さんは「骨フェチ」だす。




初、山田詠美
「馬鹿うまい」という言葉、いいなぁ。





吉田和子「お供え」に唖然。
島尾伸三の文章も興味深い。 マホちゃんのお父さま。



村田 喜代子
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最後の「盟友」
「学校のトイレ」をこんなに鮮やかに表現するとは。
独特の薄暗い、掃除の行き届いていない、見て見ぬふりな場所。
ちょっと三島由紀夫の「仮面の告白」を思い出した。 鉄棒のところ。



畑村 洋太郎
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ゾッとしっぱなし。




奥さんに片思い中の関根さん。
「奥さんの足の匂いが好き」と発言していた関根さん。
好きだなぁ。
昔は暑苦しかったけど、どんどんいい顔になってきた。




お兄さん(透さん)の本と併せて読むと、性格の違いが浮き出て興味深いです。

文章を書くことが好き、というだけあって上手い。リズムが良い。 
北朝鮮での生活等についてはあまり多く触れられていない。 まだ書けないのだろう。
きちんとプロとしての厳しさを乗り越え、晴れて翻訳家としてデビューを果たす。 仕事が楽しいようだ。
良かった。幸せになって下さい。 残る拉致被害者の皆さんもどうかどうか無事帰国を果たせますように。



ひとり暮らしにも挑戦、という写真。
どこか皇太子さまあたりが「ひとり暮らし」をなさる、という雰囲気。


姫野 カオルコ
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森本隼子と川村先生のラストがめくるめくエッチな「高瀬舟、それから」がやはり一番おもしろかった。
はやくふたりっきりになりたくて焼けるような思いで時を過ごす、その果てのセックス。

このふたりの濃厚な物語を1冊書いて下さい。姫野さん。

― 
頬の肉が醜いまでに窄まってしまうほど強く、互いの口を吸う。
森鴎外の「高瀬舟」の読書会がはじまったのが午後三時半。同じ図書室にいるのに一時間も待たねばならず、そのあとさらに一時間待ち、饂飩屋の狭いテーブルをはさんで、すぐそこにあるのに求めあうことができないまま、さらに一時間待たねばならなかった果ての口を。
― P77より引用 





未知の作家を発掘した喜び!

岸本 佐知子
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バンドエイドの文章に舌を巻いた。